#1 ゼロから学ぶ " 南部鉄器 なんぶてっき(岩手県)" の歴史・特徴・魅力・体験場所

鉄器は、体に吸収されやすい鉄分が溶け出すため体に良いと言われている
前回は#0-6 伝統的工芸品の代表的な工芸品237品目(後編)について詳しくみてきましたが、今回はひげ先生となんぶ君との会話より、いよいよ1品目ずつ具体的にチェックしてみましょう
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目次

なんぶ君、こんにちは。ひげ先生こと当ブログの管理人です

ひげ先生、本日は宜しくお願いします

ようやく1品目を見れるところまできたね

はい!

伝統的工芸品を見ていく中で、その背景をまず知ることは大事なことなので、ここまで付いて来てくれて、先生嬉しいです

ひげ先生って、めんこいな!(かわいいな!)

それでは今回、岩手県の南部鉄器(なんぶてっき)をご紹介したいと思います

お願いします!
南部鉄器が伝統的工芸品に指定された年月日と産地組合

南部鉄器は1975年(昭和50年)2月17日に経済産業大臣より指定を受け、南部鉄器協同組合連合会が産地組合だったね

これまでの復習ですね!
南部鉄器の産地組合がある市町村と観光スポット

南部鉄器協同組合連合会は、盛岡市(もりおかし)にあります

盛岡市にあるのですね!
盛岡市(もりおかし)とは
岩手県の県庁所在地で岩手県の中部に位置する市

東京からはどうやって行くんだろうか?

東京から盛岡市への行き方ですが、新幹線+バスがおすすめです

新幹線からのバスの乗り換えですね

トータル所要時間は約3時間00分で着くことができます
東京駅→ 盛岡駅(秋田新幹線:約2時間13分)
盛岡駅前 → 盛岡手づくり村前(西肥自動車 長崎空港線:約41分)
盛岡手づくり村前 → 南部鉄器協同組合(徒歩:3分)

バスに乗った後は1本でいけるのは便利ですね

また、盛岡市には、盛岡城跡公園(もりおかじょうあとこうえん)という観光スポットがあります
盛岡城跡公園(もりおかじょうあとこうえん)とは
不来方(こずかた)城と呼ばれる南部氏の居城跡。代藩主重直の時代寛永10年(1633)に完成

南部鉄器の歴史・特徴・魅力

その盛岡城跡公園がある盛岡市における、南部鉄器の歴史について見ていきましょう

南部鉄器の歴史とはどういったものでしょうか

岩手県 水沢市 羽田町 田茂山(みずさわし はだちょう たもやま)に鋳物(いもの)の里があり、約900年前の平安時代まで遡ることになります
鋳物(いもの)とは
金属はある温度まで温めると、溶けて液体になります。高温で溶かした金属を砂などで作った型の空洞部分に流し込み、冷やして固めた製品を鋳物(いもの)と言います


古くからあるのですね!

この地方に鋳物業が発達したのは何故だと思いますか?

何故ですかね・・・
鋳物を作る材料が豊富だったからですかね?

その通り!
鋳物を作るためには『べこ石・川砂・粘土』が必要になります

べこ石??

べこ石は、鉄鉱石のことです
この地域は北上山地(きたかみさんち)があり、昔からべこ石を拾い集めていたんだよ

そうなんですね!

そのべこ石を使って、鉄の精錬(せいれん)をはじめたんだよ
精錬(せいれん)とは
原料鉱石から必要とする金属を抽出する操作をいう。鉱石を溶融状態にして金属と非金属などに分離する高温化学反応を利用した乾式法と、水・希硫酸などの溶媒で金属を分離する湿式法とがある


べこ石から鉄にするんですね!

そうなんです!
そして鋳物を作るには、溶かした鉄を流し込む鋳型(いがた)が必要になるんだよ

確かに、鉄を流し込む容器は必要ですね

北上川(きたかみがわ)の川岸には砂が豊富にあり、北上山地には粘土を多く採取できたんだよ

鋳物を作るには『べこ石・川砂・粘土』ですね!

そして時が経ち、江戸時代には伊達藩(だてはん)の領地になり、田茂山(たもやま)の里は鋳物の産地として知られていくようになったんだよ

なるほど

水沢の田茂山の里は、鍋や釜などの日用品を作り発展してきました

民衆に受け入れられていたのですね

一方、盛岡(もりおか)でも江戸時代に南部藩(なんぶはん)が茶道を広めるために茶釜職人を招いて作り始めたと言われております

南部藩なんですね

そうです!
そして職人が小さな湯がまに注ぎ口と持ち手をつけた鉄びんにより、手軽に湯が沸かせるようになりました

それぞれの地域で南部鉄器の礎を築いてきたんですね

ただアルミニウム製のやかんが世の中に出回り始めてからは、鉄びんが売れなくなってしまったんだよ

環境変化の変化は、どうしても起きてしまいますね

さらに不運が続きます

一体何があったのですか!?

1947年と1948年に超大型の台風があり、北上川の川筋が変わり、川砂が取れなくなってしまったんです

大事な川砂が・・・

そこで地元の人たちは何とか続けれるよう、今は愛知県の川砂を使って、伝統文化を守っていっているんだよ

素敵です

また1959年に両市の組合が連合会を作り、『南部鉄器』は水沢と盛岡の両市で作られる製品の名前となりました

そういうことなんですね

それでは、最後に南部鉄器のできるまでを見てみよう
南部鉄器の製造工程
製造工程 | 説明 |
紙型(かみがた) | 紙のうえに、完成品を想定して側面図を描く。 |
木型(もくがた) | 紙型をもとに、その片側半分をうつした木型を作る。 |
鋳型(いがた) | 木型を180度回転させて、鋳型を作る。 |
絵つけ | 型ひけが終わって、まだ半かわきの鋳型に絵づえという道具を使って、鋳型の内側に模様を描く。 そして鋳型の中に中子(なかご)をセットする。 |
鋳造(ちゅうぞう) | 鋳型と中子の間の隙間に、溶けた鉄を流し込む。 |
焼鈍(しょうどん) | 鋳造された鉄びんは、鋳型から外した後、錆を防ぐために、やき釜で800度の熱を加える。 |
研磨(けんま) | 焼いた後、金剛砂とと石で丁寧に磨き、漆でといた鉄粉で表面を整え、もう1度焼き上げる。 |
色づけ | 酸化鉄や茶渋を吹き付けて完成。 |

その技術を体験できるところってありますか?

あるよ!是非、体験してみてくださいね!!
南部鉄器の体験場所
事業者名 | 内容 | 事業者HP |
水沢鋳物工業協同組合 | 文鎮づくり | http://www.ginga.or.jp/imono/ |
虎山工房 | アクセサリーコース 文鎮コース | https://www.nanbukozan.co.jp/exptop.htm |

南部鉄器の歴史や工芸体験の情報有難うございました

南部鉄器の“コーヒーポットセット”が売られていますので良かったらぜひ!

なんて美しいポットなんだろうか!

IH対応というところがすごいですよね!

じぇじぇじぇ!(そんなバカな!)

はい、それでは#1 南部鉄器(なんぶてっき)についてのお話はここまで。
次回は#2 山形鋳物(やまがたいもの)を見ていきましょう
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